TV番組やネットで話題となった退職代行。近年では世間に広く知られ、利用者は今もなお増加し続けています。退職代行について調べてみると、退職代行は「業者」か「弁護士」かのどちらかに依頼することができると分かります。

そして以下のような疑問が出てくるはずです。

  • 弁護士の方が安心そうだが実際どうなのか?
  • 安心そうだけど費用が高そう...いくら必要?
  • どの弁護士法人事務所に依頼すれば良いのか?
  • そもそも両者に違いはあるのか?
  • 弁護士の方が業者よりも優れている点があるのか?

弁護士による退職代行のサービス内容・料金費用・業者との違い・利点・欠点などなど、退職代行をあまり知らない人ほど気になる項目だと思います。

そこで今回は「弁護士」に焦点を当て「退職代行を弁護士に依頼するメリット」について解説。費用や非弁、失敗の可能性、転職の話まで解かりやすく解説していきますので是非参考にしていただければと思います。

退職代行を弁護士に依頼するメリットとは何か

弁護士
まずは「退職代行を弁護士に依頼するメリット」について解説します。

一言でいうと、”会社に対して金銭的な請求、交渉に該当する退職代行が実行できる”ということが結論となります。

これだけではさすがに分からないと思いますのでより詳しく、具体的には以下のようなことが挙げられます。

  • 未払い残業代など金銭的な請求ができる
  • 有給休暇の取得など会社に対して交渉ができる
  • 精神疾患がある場合は労災認定の依頼もできる
  • 弁護士の退職代行は即日退職の可能性も高い
  • 非弁行為(弁護士法違反)の心配がない
  • 会社に損害賠償請求をされた時の対応ができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

未払い残業代など金銭的な請求ができる

未払い残業代、未払給料、退職金、場合によっては慰謝料など、会社に対して金銭的な請求ができます。

利用者にとっては最も利点となるサービス内容であるかと思います。ただし一つ注意しておきたいのは未払い賃金等の請求には「事実となる証拠」も必要であるということ。

例えば、未払い残業代であればタイムカード・給与明細・振込口座を照合して不一致を証明するなどです。

弁護士に完全委託するのではなく、不正を証明するための交渉材料をこちら側も提供する必要が少なからずあります。

有給休暇の取得など会社に対して交渉ができる

有給休暇の取得、退職日の調節といった会社に対しての交渉が可能です。

ここで気になるのが「業者」は交渉業務ができないのかということ。実は退職にまつわる交渉業務は弁護士資格を持つ者のみが許されているのです。

とはいえ弁護士資格を持たない「業者」の公式サイトには「有給取得」などの文言をよく見かけます。業者としては「交渉ではなく、依頼者の要望を伝達している」という建前のもと退職代行を行っているのです。故にこれが「退職代行業者は非弁ではないのか?」という声を生む理由となっています。

ですので事実上、会社から頑なに支払いを断られてしまえばそこで終了ではあります。しかしながら、実際のところ「意志の伝達」でも問題なく有給消化できることがほとんどのようです。

ただし有給申請を全くさせてもらえないようなブラック企業に対しては、弁護士による退職代行が非常に有効になってくることは間違いありません。

精神疾患がある場合は労災認定の依頼もできる

過度な残業・ハラスメントが原因で、うつ病などの精神疾患を患っている場合は労災申請を行える可能性があります。

労災認定がおりると賠償金として数百万円を会社から請求することができます。実例としては平成29年名古屋、パワハラが原因でうつ病になった方が労災認定され、約200万円の賠償金を受け取っています。

ただし労災申請には精神科医の診断書、ハラスメントの証拠を用意するといった事前準備が必要となります。これらが不足していると労災として認められないこともあります。この辺については弁護士からアドバイスを受け、適切に実行していくと良いでしょう。

弁護士の退職代行は即日退職の可能性も高い

弁護士による退職代行は、即日退職できる可能性も高めです。

あくまでも即日退職は会社の了承が必要であるため、必ず即日退職できるわけではありません。しかし、交渉術にも長けている弁護士です。退職代行業者よりも遥かに即日退職の可能性が高いことは説明いらずではないでしょうか。

非弁行為(弁護士法違反)の心配がない

弁護士による退職代行は非弁行為の心配がありません。

非弁活動
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができません(ただし、弁護士法又は他の法律に特段の定めがある場合は、この限りではありません。)。(弁護士法72条)

引用:日本弁護士連合会

非弁行為(非弁活動)とは弁護士資格を持つ者のみが許された業務を無資格者が行うことを指し、弁護士法によって禁止されています。

退職代行において非弁行為に抵触しうる業務としては、有給休暇の申請、退職日の調節、未払残業代の請求など「会社との交渉」が必要になる業務です。

当然ながら弁護士であれば交渉業務を正式に行うことができます。一方、業者は先程も説明したとおり「意志の伝達」によって業務を遂行しています。

  弁護士と業者の違い
弁護士:有給休暇の使用を要求します(会社交渉)
業者:依頼者が有給休暇を希望しています(意思の伝達)

会社に損害賠償請求をされた時の対応ができる

退職代行をキッカケに損害賠償請求をされた場合も弁護士なら対応できます。

ただし実際に退職代行によって依頼人が会社から訴えられるというケースは今のところありません。

起訴には膨大な時間と費用がかかります。一社員のためにそこまでの労力を酷使して起訴することは会社側としてもデメリットでしかないのです。

弁護士による退職代行の費用・相場はいくらなのか

弁護士
弁護士は法の番人です。退職代行においても非常に強い味方となります。

しかし、「弁護士だけあって費用が高いのではないのだろうか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この章では、弁護士による退職代行の費用・相場について分かりやすく解説していきたいと思います。

弁護士による退職代行の料金体系は2パターン

弁護士による退職代行の料金体系としては「パック式(固定課金)」「従量課金式」の2パターンが主流となっています。

それぞれにはメリット・デメリットがありますので、詳しく見ていきましょう。

パック式(固定課金)

「パック式」の料金体系は固定費用です。追加費用などはありませんが代行内容が予め決められており、業務範囲外の代行は行いません。

例えば、「フォーゲル綜合法律事務所」では3万円プラン、5万円プランという弁護士としては破格の料金体系で退職代行を行っています。しかし、このどちらのプランにも残業代請求、退職金の請求、労災請求は含まれていないのです。

もちろん弁護士だけあって追加オプションとして費用を上乗せすれば対応してもらうことも可能です。その場合は従量課金式の料金体系が適用されます。

従量課金式

弁護士費用として従来どおりの料金体系なのが「従量課金式」です。

退職代行において必ず発生するのが「着手金」。これに「金銭請求」を追加した場合、成功報酬(手に入れた金銭の20%等)の支払い、通信費・交通費などの実費がかかります。

要するに”使った分だけ費用が発生”する料金体系となっています。

弁護士費用の相場

相談料5,000~10,000円 / 1時間
※初回無料の場合あり
着手金5万円~
※依頼内容によって異なる
報酬金経済的利益の額によって異なる
手数料数万円~数十万円
※依頼内容によって異なる
時間制報酬5,000円~30,000円 / 1時間
※依頼内容によって異なる
実費-
日当3~5万円 / 半日
5~10万円 / 1日
※依頼内容によって異なる

参考:弁護士ドットコム

弁護士費用の相場をまとめた表が上記です。

弁護士費用として少なくとも10万円~30万円を見積もっておく必要があります。ただし依頼内容によってかかる費用は異なるため一概にいくらと言い切ることができません。

例えば、成功報酬20%の弁護士を利用、退職金の請求に成功して500万円を手に入れたとします。経済的利益500万円のうち20%の100万円は報酬金として弁護士に支払う必要があります。つまり費用として100万円以上かかっている計算になるのです。

弁護士による退職代行の口コミ・評判

弁護士による退職代行を実際に利用した人々の声も気になる方は多いと思います。

ここでは「弁護士による退職代行の口コミ・評判」を見ていきたいと思います。

弁護士による退職代行の選び方

男性
弁護士による退職代行を検討する際、どこか1つの法律事務所を選択するわけですが失敗は避けたいもの。

そこでこの章では「弁護士による退職代行の選び方」を解説していきたいと思います。

1. 退職代行サービスとして取り扱っている

「退職代行サービス」として業務を行っている法律事務所を選びましょう。

退職代行サービスとして展開していれば、業務内容的に実績・経験の観点で安心してお任せできます。また発生する費用は「着手金+成功報酬」だけということがほとんどで、できるだけ諸経費を抑えたい方にも向いています。

逆にいわゆる一般的な法律事務所に退職代行を依頼すれば、普通に弁護士を雇うことになります。したがって弁護士によっては時間制報酬、日当などの費用が必要になってくる場合もあるのです。

2. 労働関連を得意としている

弁護士はそれぞれ得意とする分野、実績が異なります。

例えば、民事事件を得意とする弁護士もいれば、刑事事件を得意とする弁護士もいます。当然、労働関連を得意とする弁護士もいるのです。

このように弁護士の個性はそれぞれ。退職代行においては労働関連を幅広く取り扱い、なおかつ実績のある弁護士を利用することが重要になってきます。

弁護士による退職代行おすすめ一覧

男性
この章では「弁護士による退職代行」の主要サービスを一挙ご紹介したいと思います。

比較の際にどうしても「費用」に着目しがちではありますが、弁護士による退職代行を比較検討する際は「サービス内容」にも是非着目してみてください。

汐留パートナーズ法律事務所

汐留パートナーズ法律事務所

退職成功率記載なし
着手金55,000円
オプション費成功報酬:経済的利益の20%
※未払給料・残業代・退職金等の請求に関して着手金無料
実費郵送料など
無料相談あり(回数無制限)
受付対応10:00~21:00(不定休)
連絡方法LINE・メール・電話
転職支援-
特筆事項・弁護士あり
・行政書士あり
・社会保険労務士あり

「汐留パートナーズ法律事務所」は弁護士・行政書士・社会保険労務士が在籍するという、他にはないバックアップ体制の退職代行サービスを展開しています。

料金は着手金で55,000円。金銭請求などの成功報酬は経済的利益の20%です。金額だけ見れば高く見えますが、サービス内容を考えると比較的にコスパの良い退職代行サービスとなっています。

ウラノス法律事務所

ウラノス法律事務所

退職成功率記載なし
着手金正社員:54,000円
パート・アルバイト:43,200円
オプション費成功報酬:経済的利益の20%
※未払給料・残業代・退職金等の請求に関して着手金無料
実費郵送料など
無料相談あり(回数無制限)
受付対応24時間/365日
連絡方法LINE・メール・電話
転職支援-
特筆事項・弁護士あり

「ウラノス法律事務所」は様々な刑事事件や情報商材詐欺案件を解決し、「告訴マン」の異名を持つ藤崎雅弘弁護士によって運営されている退職代行です。

正社員とアルバイトの着手金が分けられており、若干ではありますがアルバイトの方はお得です。弁護士による退職代行としてはLINE連絡を真っ先に導入した退職代行サービスでもあり、相談・申込は24時間/365日で受付対応しています。

フォーゲル綜合法律事務所

フォーゲル綜合法律事務所

退職成功率記載なし
着手金A.円満退職プラン:33,000円
B.損害賠償請求あんしんプラス:55,000円
※金銭請求・交渉は別途費用が必要
※会社が請求に対応しない場合、訴訟
オプション費-
実費-
無料相談あり(回数無制限)
受付対応24時間/365日
連絡方法LINE・メール
転職支援-
特筆事項・弁護士あり

「フォーゲル綜合法律事務所」は弁護士による退職代行としては、破格の料金体系でサービス展開を行っています。

注意点としては残業代・退職金等の金銭請求はサービス対象外となっており、希望の場合は追加費用が必要なことです。また会社が最終的に支払いを行わない場合、訴訟にまで発展する可能性があることを予め把握しておきましょう。

弁護士による退職代行(小澤亜希子、十時麻衣)

小澤・十時氏による退職代行

退職成功率記載なし
着手金退職代行基本プラン:70,500円
退職代行+金銭請求プラン:11万円+成功報酬:経済的利益の20%(税抜)
オプション費即日対応:11,000円
担当弁護士指定:5,500円
傷病手当金支給申請サポート:16,500円
失業保険受給サポート:16,500円
実費郵送料など
無料相談初回30分相談無料
※以降15分ごとに2,700円
受付対応24時間/365日
連絡方法LINE・メール・電話
転職支援-
特筆事項・弁護士あり

「弁護士による退職代行(小澤亜希子、十時麻衣)」は、その名のとおり「小澤亜希子」弁護士、「十時麻衣」弁護士が提供している退職代行です。

メディア露出が多く、本も出版している「小澤亜希子」弁護士が担当しているせいか、費用に関しては若干強気の料金設定となっています。

退職代行コンシェルジュ

退職代行コンシェルジュ

退職成功率100%(毎月約100件の問い合わせ)
利用料金33,000円 ※期間限定キャンペーン
正社員:49,800円 アルバイト:39,800円
追加料金なし
無料相談あり(回数無制限)
受付対応24時間/365日
連絡方法LINE・メール・電話
転職支援あり
特筆事項・顧問弁護士あり
※交渉業務は弁護士が担当

「退職代行コンシェルジュ」は退職代行業者ですが、正式に交渉業務を行える退職代行サービスです。

相談窓口、申込受付、スケジュール設定などの基本フローは弁護士以外のスタッフが担当。交渉業務を必要とする場合は弁護士が対応するという業務形態を取っており非弁行為の心配がありません。

また人材会社が運営しているということもあり、退職後も手厚い転職サポートを受けられる点も利用者にとってはメリットです。

まとめ

弁護士
弁護士による退職代行について、お役に立てる情報をお届けできていれば幸いです。

「弁護士による退職代行」は利用料金が基本的に高く、少なくとも10万円~30万円前後の出費を覚悟する必要があります。ですが有給休暇の消化など、会社に交渉・請求ができる点が何よりのメリットであり、確実性に関しては申し分ありません。

お金にある程度の余裕があり、なおかつ「未払給料・残業代・退職金を確実に支払わせて退職したい」と強く考えている方には「弁護士による退職代行」はピッタリではないかと思います。

逆に「できるだけ安く、でも確実に辞めたい」と考えているなら、「退職代行業者」の利用も検討の余地があります。

自分が退職代行に何を求めるのが再度しっかり考えましょう。そして辛い現状をより良いものに変える第一歩を踏み出せれば何よりです。

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