会社を辞める際、次の仕事に就くまで少しゆっくりされたい方や観光したい方、すぐ転職するが引っ越しがある方など、会社を辞めた後には多くのお金が必要になります。

辞めるといっても、今月もここまで働いてきたのだから給料はもらえる。そう思っていてもどこかで「もしかしたら……」なんて思ってしまい、不安になられる方もいると思います。

そんな退職後の給料に関わる不安をこの記事で取り除いていきます。

会社は辞めても給料はもらえる

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会社は社員が退職したからといって、給料を支払わなくていいなんてことにはなりません。どんな形で辞めたにしても、労働に対しての報酬を支払う必要があります。

給料日には、いつも通りみなさんの銀行口座に給料が振り込まれることでしょう。

また、会社によって翌月も給料が振り込まれることがあります。なぜ、仕事を行なっていない翌月も給料が振り込まれることがあるのか解説していきます。

当月払い・翌月払いで最後に給料が支払われる月が変わる

給料の支払いには、今月の仕事に対する報酬をその月に支払う「当月払い」と、翌月に支払う「翌月払い」に分かれます。

後者の支払い方法をとっている会社であれば、退職した月の翌月も給料が支払われるというわけです。最後に給料が振り込まれるのはいつなのか辞める前に確認しておきましょう。

給料が支払われない場合の対処法

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会社を辞めたからといって、会社は給料の支払いを免れることはできません。正当な請求ですので臆することなく請求しましょう。

ただし、未払い請求にも時効があり、2年と短いので早めに請求することが必要です。ここでは、会社に支払い請求する際の方法を流れに沿って紹介していきます。

会社に直接請求する

会社

まずは会社に連絡します。退職者への支払い忘れということは考えにくいですが、とりあえず確認。給料の支払いが当月払いなのか翌月払いなのかも確認しましょう。

そのうえで、会社に速やかに給料を支払ってもらえるよう請求し、給料を支払うつもりはない旨を伝えられた場合には、内容証明を使った請求を考えます。

内容証明を使った支払い請求

内容証明とは、郵便局員が文書の内容を確認し、記録してくれるサービスです。これで会社に未払い請求したという法的な証拠を残します。

配達証明という、相手方がいつ受け取ったのかを郵便局が証明してくれるサービスも同時に利用することで、会社が請求されてないとは言い逃れられない状況を作り出しましょう。

労働基準監督署に相談する

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それでも支払い請求に応じない場合、労働基準監督署に相談します。

労働基準監督署とは、労働条件や給料の支払いなどが正しいものかを判断し、労働者の権利を守るために会社を取り締まることができる厚生労働省の機関です。

内容証明を使い、会社に支払い請求を行なったが応じることがなかったと相談すれば対処に動いてくれます。最終的には会社へ行政指導まで行うことができます。

未払いトラブルには弁護士による退職代行サービス

弁護士

未払いトラブルを解決するための方法としてもう1つあげられるのが、弁護士による退職代行サービスです。この方法が1番迅速な対処が望めます。

基本的な退職代行サービスでは、依頼人の希望が通るまで意思を伝え続けることで退職にこぎつけますが、弁護士であれば法の強制力があり、会社に支払い請求することができます。

下の記事では、弁護士による退職代行サービスについて詳しく説明しています。

会社が支払いを拒み続け、万が一裁判に発展なんてことになっても、弁護士に頼んでいれば安心です。

給料日前に給料を受けとることも可能

給料

会社を辞めてすぐにでもお金が必要という方はいませんか。会社を辞める際、残りの給料をまとめてもらうことができれば、その問題もすぐ解決できます。

では、会社を辞めるからといって、給料日前に給料を受け取ることはできるのか。

会社を辞めた場合、原則として通常の給料日に支払いが行われます。しかし、給料日前に給料を受け取る方法があります。

  • 会社の合意を得る
  • 会社に7日以内での給料の支払い請求する

上記2つの方法について詳しく説明していきましょう。

会社の合意を得る

会社の合意があればもちろん問題ありません。

この方法であれば退職日に給料を受け取ることもできます。まずは相談という形で、会社に給料日前の支払いをお願いできないか話してみましょう。

会社に7日以内での給料の支払い請求する

会社を辞める際、会社に7日以内での給料の支払いを請求することができます。これは、労働基準法第23条『金品の返還』において定められています。

第23条  
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

引用:Wikibooks

簡単にいうと「給料日前であろうとも、会社をやめた人間から給料の支払いを請求されれば、会社は請求から7日以内に給料を支払わなければならない」ということです。

ですので、会社を辞める際はあらかじめ「何日に退職するので、その翌週までには残りの給料を全額支払いお願いします」と伝えておけば大丈夫です。

7日以内の請求に応じない場合

口頭での請求に応じない場合には、内容証明と配達証明を使った請求通知を行い、請求したという証拠を残します。

証拠を作った後、これでも支払いが行われなければ、労働基準監督署に労働基準法違反の申告をしましょう。

まとめ

男性

働いた分の給料をもらうことはあたりまえの権利です。ただ、「会社を辞めていざ新しい生活を!」という時にトラブルで労力を使うのは気持ちのいいことではありません。

であれば、弁護士による退職代行サービスに全てお任せしてしまうのも悪くないでしょう。会社を辞めた後の生活のために、すこしでも参考にしていただれば幸いです。

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